視覚障害のある鍼灸師が訪問鍼灸で働くための工夫と請求業務のポイント
訪問鍼灸は、高齢化が進むなかで需要が高まっています。鍼灸と視覚障害のある方には江戸時代から続く長い歴史があり、現代でも多くの施術者が活躍しています。訪問鍼灸では、施術の技術だけでなく、患者宅への移動や施術記録、医師の同意書の管理、療養費の請求など、さまざまな業務への対応が必要です。この記事では、視覚障害のある鍼灸師が訪問先で働きやすくするための工夫や、請求業務をスムーズに進めるポイント、日々の業務を支えるspotlogについてご紹介します。
◎視覚障害のある方と鍼灸の江戸時代から続く歴史
視覚障害のある方と鍼灸には、300年以上にわたる深いつながりがあります。その歴史を語るうえで欠かせないのが、江戸時代に活躍した鍼灸師の杉山和一氏です。1610年に生まれた杉山和一氏は、幼くして視力を失いながらも鍼の道を志し、長い修行を経て管鍼法を生み出しました。管鍼法は、細い管を使って鍼を刺す技法で、現在の鍼灸でも広く使われています。また、1682年に杉山流鍼治導引稽古所を開設し、視覚障害のある人々に鍼灸の技術を教えました。晩年には五代将軍・徳川綱吉の鍼医を務めるなど、視覚障害のある方が鍼灸師として活躍する道を広げた人物として知られています。
こうした流れは明治時代以降も受け継がれ、鍼灸やあん摩・マッサージ・指圧は、視覚障害のある方の職業教育にも取り入れられてきました。2006年の身体障害児・者実態調査では、視覚障害のある就業者約81,000人のうち、約24,000人があん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうに関わる仕事に就いています。江戸時代から続く歴史は、現在の鍼灸にも受け継がれています。現代の訪問鍼灸でも、施術には指先から得られる情報が重要です。鍼灸で用いる経穴と呼ばれるツボは、目で見ただけで位置を判断するものではありません。皮膚や筋肉の状態、硬さや弾力などを手で確かめながら、施術する場所を見極めていきます。こうした技術は、専門的な教育や実践を重ねることで身についていくものです。視覚障害のある施術者も、それぞれが身につけた技術や経験をいかしながら施術を行っています。
訪問鍼灸では、神経痛や腰痛などの慢性的な不調に対して、継続して施術を行うことがあります。患者の身体は日々変化するため、その日の体調を確認しながら施術を行うことが大切です。また、自宅を訪問して施術するため、会話を通して体調や困りごとを聞き取ることも重要になります。こうした施術やコミュニケーションには、これまで身につけてきた技術や経験をいかすことができます。
◎視覚障害のある鍼灸師が訪問先で働きやすくするための工夫

訪問鍼灸では、施術者が安心して仕事に取り組めるよう、働く環境を整える工夫が求められます。視覚障害のある鍼灸師の場合も、1人ひとりにあった工夫を取り入れることで、よりスムーズに業務を進められます。訪問先によって施術する場所や室内の環境が異なるため、あらかじめ準備や業務の流れを決めておくと安心です。
まずは、鍼灸道具の置き場所や扱い方を決めておきます。訪問先では限られたスペースのなかで、未使用の鍼や使用済みの鍼、灸に使う道具などを分けて管理しなければなりません。専用ケースの仕切りごとに収納するものを決めたり、道具を使う順番に並べたりすると、必要なものを取り出しやすくなります。訪問先が変わっても同じ配置で準備すれば、道具の場所を把握しやすくなるでしょう。使用済みの鍼を入れる容器も、あらかじめ置き場所を決めておくことで、安全で衛生的に管理できます。訪問先では、施術しやすい環境をつくる工夫も必要です。はじめて訪問する際には、家具の配置や施術を行うスペースなどを患者や家族と一緒に確認します。施術する場所だけでなく、玄関から施術場所までの移動や荷物を置く場所なども把握しておけば、次回からの訪問もスムーズです。必要な情報を記録しておくと、毎回イチから確認する手間を減らせます。患者や家族と相談しながら、施術しやすい環境をつくっていきましょう。
移動や訪問先での案内は、必要に応じてドライバーやスタッフと連携しましょう。訪問鍼灸では1日に複数の患者宅を訪れることもあるため、移動の負担を減らす工夫も必要です。患者宅までの移動や玄関までの案内をスタッフが担当することで、施術者は施術に集中しやすくなります。ただし、必要なサポートは1人ひとり異なるため、施術者本人の希望を確認しながら、スタッフとの役割分担を決めるとよいでしょう。施術記録には、スマートフォンやパソコンの音声入力、画面読み上げ機能などを取り入れるのもひとつの工夫です。訪問鍼灸では、患者の体調や施術内容、前回からの変化などを記録し、次回の施術にいかします。施術後の内容を音声で入力したり、過去の記録を読み上げ機能で確認したりすれば、自分にあった形で患者の情報を管理できます。普段使っている機器や機能を活用できれば、新たな設備を用意する負担もおさえられます。
このように、訪問鍼灸で取り入れられる工夫は、道具の管理から施術環境、移動、記録まで実にさまざまです。はじめから大がかりな設備を導入するのではなく、日々の業務のなかで使いやすい形に整えていくこともできます。施術者本人の希望や働き方にあわせて工夫を重ねることで、安心して働ける環境づくりにつながります。
◎訪問請求の請求業務をスムーズに進めるためのポイント

訪問鍼灸の請求業務をスムーズに進めるためには、保険適用となる疾患と同意書の管理、はり・きゅう・マッサージを行う場合の請求内容の整理、返戻や入金遅延を防ぐための仕組みづくりがポイントです。視覚障害のある施術者も使いやすい環境を整えることで、請求業務の負担を減らし、施術に集中できます。
〇6疾患の保険適用と医師同意書を正しく管理する
訪問鍼灸で健康保険の対象となる疾患には、神経痛、リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頸椎捻挫後遺症があります。健康保険を利用して施術を受けるためには、医師の同意が必要です。また、継続して施術を行う場合は、一定期間ごとに医師の再同意を得る必要があるため、適切に管理しなければなりません。患者ごとに同意書の交付日や再同意が必要となる時期を一覧で管理し、期限が近づいた段階で確認できる流れをつくっておくと安心です。担当する患者が増えるほど管理する情報も多くなるため、早い段階から確認しやすい仕組みを整えておくことで、請求時の確認漏れを防ぎやすくなります。視覚障害のある施術者の場合は、画面読み上げ機能などに対応したシステムを活用することで、自分で情報を確認しながら請求業務を行えます。
〇はり・きゅう・マッサージの請求内容を整理する
訪問鍼灸では、施術内容によって請求する項目が異なります。また、患者によっては、はりやきゅうだけでなく、あん摩マッサージ指圧の施術を行うケースもあります。それぞれ請求に必要な内容が異なるため、月末になってからまとめて確認しようとすると、作業量が増えてミスにつながる可能性があります。施術した日付や内容などを日々記録し、訪問のたびに必要な情報を残しておけば、月末にイチから確認する手間を減らせます。入力する項目や手順をあらかじめ決めておくことも、記録漏れを防ぐ工夫のひとつです。視覚障害のある施術者も自分に合った形で入力や確認ができる環境を整えておくことで、毎日の記録から月末の請求まで進めやすくなります。
〇返戻や入金遅延を防いで経営を安定させる
訪問鍼灸の請求書類に不備があると返戻となり、内容を修正して再提出しなければならない場合があります。その分、入金までに時間がかかることもあるため、提出前に内容をしっかり確認できる仕組みを整えておくことが大切です。返戻が重なると資金繰りにも影響するため、日々の記録から請求書類の作成、提出前の確認まで、ミスを防ぎやすい流れをつくっておくと安心です。画面読み上げ機能に対応した請求システムであれば、視覚障害のある施術者自身が内容を確認しながら作業を進めることができます。さらに、自動計算などの機能を活用すれば、手作業による計算ミスを減らすことにもつながります。請求業務を無理なく続けられる環境を整え、返戻や入金遅延をできるだけ減らしていくことが、訪問鍼灸事業を安定して続けていくうえでのポイントです。
◎訪問鍼灸の事務作業を効率化するspotlog

訪問鍼灸の請求業務をスムーズに進めるために活用できるのが「スポットログ」です。スマートフォン1台で訪問記録や日報、療養費支給申請書の作成などをまとめて管理できる、訪問鍼灸・訪問マッサージ事業者向けのクラウド型業務支援システムです。医師の同意書については、患者ごとの交付日や期限などを一覧で確認でき、再同意が必要となる時期の管理にも活用できます。画面読み上げ機能を利用すれば、視覚障害のある施術者も音声で情報を確認しながら業務を進めることが可能です。
ほかにも、はり・きゅうの施術内容に応じた料金計算や、あん摩マッサージ指圧を行う場合の請求にも対応しています。システム上で必要な計算を行えるため、月末のレセプト作成時に複雑な計算をすべて手作業で行う負担を減らせます。訪問するたびにアプリから日報を入力しておけば、日々の施術記録をその都度残していくことができます。月末になってからまとめて情報を整理する必要がなくなり、請求業務を進めやすくなるのも特長です。自動計算を活用することで手作業による計算ミスを防ぎやすくなり、書類の不備による返戻や入金の遅れを減らすことにもつながります。
サポート担当は、実際に訪問鍼灸に携わっている施術者です。システムの操作だけでなく、制度についてわからないことがある場合にも相談できるため、導入後の業務を支える体制が整っています。最大2ヶ月の無料お試し期間も用意されているため、実際の訪問鍼灸の業務で使用しながら操作性を確認できます。画面読み上げ機能を利用している場合も、普段の業務で問題なく操作できるかを試したうえで、導入を検討することができます。
◎まとめ
視覚障害のある方と鍼灸には、杉山和一氏が活躍した江戸時代から続く長い歴史があります。現代の訪問鍼灸でも、専門的な技術や経験をいかして多くの施術者が活躍しています。訪問鍼灸では、施術だけでなく医師の同意書の管理や療養費の請求など、さまざまな事務作業が必要です。こうした事務作業の負担を減らし、施術に取り組みやすい環境が整えられるスポットログの導入については、当社までお気軽にお問い合わせください。