ケアプランに訪問マッサージを組み込んで業務効率化するポイント
要介護認定を受けた方が在宅で自立した生活を続けるためには、介護支援専門員であるケアマネが作成するケアプランは欠かせません。病気や怪我の治療による長期間の安静や、寝たきりなどによる廃用症候群の予防や血行促進などに効果的な訪問マッサージを組み込むことで、利用者の生活の質を大きく向上させることができます。この記事では、訪問マッサージを組み込むケアプランやspotlogで業務を効率化させるメリットについてご紹介します。
◎医療保険が適用される訪問マッサージ
訪問マッサージとは、国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師が利用者の自宅を訪問し、マッサージや関節可動域訓練を行うサービスです。外出が困難な要介護者が訪問マッサージの対象となり、筋緊張の緩和や血行の改善、むくみの軽減や寝たきりによる筋力低下、固まって動かしづらくなる関節の予防などの幅広い効果が期待できます。多くのケアマネにとって重要な知識は、訪問マッサージは介護保険サービスではなく医療保険が適用されるサービスである点です。医師の同意書があれば、訪問マッサージを医療保険として利用できるため、要介護度や介護保険の支給限度額に関わらず、訪問マッサージを利用できるというメリットがあります。
訪問マッサージは、居宅サービス計画書の第3表の週間サービス計画表や第6表のサービス利用票における医療系サービスとしての位置付けです。訪問マッサージの実施曜日や頻度を具体的に記載すれば、ほかのサービスと訪問マッサージの重複や過不足を防ぐことができます。訪問マッサージを利用するための条件は、訪問マッサージの利用者が歩行困難などの通院が困難な状態にあることです。主治医からの同意書を取得できることや、あん摩指圧マッサージ師が在籍する事業所と契約することも訪問マッサージの利用には必要になります。訪問マッサージの自己負担は、医療保険の1〜3割です。訪問マッサージを介護保険サービスの訪問リハビリテーションと組み合わせる場合は、訪問マッサージの目標や役割分担を明確にして重複しないように調整する必要もあります。
◎ケアマネージャーがケアプランを完成させるまで

一般的にケアプランと呼ばれる居宅サービス計画書は、要介護認定を受けた方が在宅で介護保険サービスを利用するために必要な計画書です。ケアプランは利用者やその家族の状況や希望をもとにケアマネが専門的に作成するもので、利用者の自己負担はありません。ケアプランには大きく分けて3種類あります。
要介護1から5の認定を受けた方が対象となるケアプランの居宅サービス計画書と、特別養護老人ホームなどの施設に入所する方向けのケアプランである施設サービス計画書、要支援1から2の方を対象とした介護予防サービスの支援計画書です。訪問マッサージを利用する在宅の方には、主に居宅サービス計画書のケアプランが作成されます。ケアプランの作成で最初に行うのは、ケアマネが自宅を訪問して利用者やその家族と面談するアセスメントと呼ばれる課題分析です。その情報をもとにケアマネがケアプランの原案を作成します。その後、主治医や各サービス事業者が一同に集まり、内容を詳しく決定するために開かれるのがサービス担当者会議です。利用者の同意を得た後、各事業所にケアプランが交付されると、その後も月に1回以上の定期的なモニタリングによる計画の継続的な見直しが行われます。
ケアプランは、第1表から第7表までで構成されています。ケアプランの第1表は利用者の基本情報と援助方針で、第2表はニーズについてと目標とサービス内容です。第3表は週間サービス計画表で、第6表には月間のサービス利用票などが含まれます。第2表に記載されるサービス内容の欄に、訪問マッサージを具体的に盛り込んでいくことがケアプランの重要なポイントです。ケアマネには利用者の状態を多角的に把握し、医療や介護、生活支援のさまざまなサービスを組み合わせて、その人らしい生活を支えるプランを作成することが求められています。単なる事務書類ではなく、3ヶ月後から半年後の姿を見据えて作成するものだという意識が質の高いケアプラン作成には大切です。
◎ケアプランに訪問マッサージを組み込むポイント

ケアマネは、担当する利用者が訪問鍼灸が適していると判断した場合にサービスを紹介します。数ある訪問鍼灸事業者のなかで信頼できる存在として認識されれば、継続的に患者を紹介してもらえる可能性も高まります。ケアマネにとっても、信頼できる訪問鍼灸事業者の存在は心強いものです。慢性的な痛みを抱える利用者に対して適切な施術者を紹介できれば、利用者のQOL向上にもつながります。
〇アセスメントによる課題の具体化と医療情報の収集
訪問マッサージを効果的にケアプランへ組み込むための第一歩は、利用者の生活における身体的課題を、第三者が客観的に理解できるように言語化することです。「最近足が弱くなった」という漠然とした表現ではなく、「股関節の痛みで寝返りが打てず、夜間の睡眠が妨げられている」というように、生活動作でどういこうことに困っているから訪問マッサージが必要だということをアセスメントシートに記録する必要があります。この際、主治医からの情報収集も大変重要です。訪問マッサージは医療保険を適用するため、禁止事項や医療的な留意点を事前に把握しておく必要があります。アセスメント情報に訪問マッサージの必要性があることを事業所と共有すれば、単なるリラクゼーションでなく、生活動作の向上を目的とした治療的介入として訪問マッサージが位置付けられます。
〇第2表における目標設定とサービス内容の記載
ケアプランの核心となる生活全般の解決すべき課題を記載する第2表は、訪問マッサージが担う役割を生活目標と連動させて記載する場所です。たとえば、「痛みなく朝までぐっすり眠れるようになる」や「トイレまで安全に歩けるようになる」といった利用者の望む姿を長期と短期で目標に設定します。サービス内容の欄には、「訪問マッサージ週2回」と記載するのではなく、「あん摩マッサージ指圧師による疼痛の緩和と関節可動域訓練を行い、夜間の睡眠環境を改善する」や「下肢へのマッサージと運動療法を組み合わせ、立位保持の安定化を図る」というように、訪問マッサージの具体的な手法と期待される効果を明記することが大切です。これにより、介護保険サービスとの役割分担が明確になり、多職種連携がスムーズになります。
〇サービス担当者会議での多職種連携と役割分担
作成したケアプランの原案をもとに、サービス担当者会議で訪問マッサージの導入について方向性をすりあわせていきます。理学療法士が行うリハビリと、マッサージ師が行うマッサージや可動域訓練の目的の違いを整理し、重複を防ぎつつ訪問マッサージを導入したことによる相乗効果を狙う調整が必要です。リハビリで強化訓練を行い、マッサージでその後の疲労蓄積や筋肉の緊張の緩和を行うといった時差の連携や役割の住み分けなどの提案を行います。サービス担当者会議を通じて他職種が訪問マッサージの目的を正しく理解し、利用者の体調変化時にお互いに情報共有しやすい土壌を作っておくことも大切です。サービス担当者会議の記録には、訪問マッサージを通した連携の具体的な方針を漏れなく残しておくことが、質の高いケアマネジメントの証となります。
◎訪問マッサージ導入時に押さえておくべき注意点

訪問マッサージを医療保険適用するためには、ケアマネが主治医に状況を共有しマッサージの必要性について意見交換する必要があります。その後、主治医の同意書が必須になることを利用者とその家族に丁寧に説明しなければなりません。同意書には有効期限があり、継続的に利用するためには定期的に同意書の更新が必要になるため、期限管理は事業者と連携して確実に行う必要があります。
介護保険サービスのスケジュール調整では、訪問リハビリテーションと同じ日に利用する場合、基本的には目的が違えば利用できますが、自治体や保険者によっては判断が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。サービスを詰め込みすぎると利用者が疲れてしまい、かえって自立支援のさまたげになる場合もあるため、すべてのサービスの合計が利用者の体力的な負担になりすぎていないか、バランスにも配慮してケアプランを作成する必要があります。記録の内容については整合性に注意が必要で、実地指導などで指摘されることがあるためケアマネが第2表に記載した目標と、マッサージ事業者が作成する実施報告書や施術記録の内容が違いすぎてはいけません。
月次のモニタリングでは、訪問マッサージの施術による痛みの軽減度合いや関節の動きなどの効果を数値や具体的なエピソードで確認し、ケアプランに反映させる習慣をつけていきたいです。訪問マッサージ導入後の適正な運営のためには情報の転記ミスや抜け漏れを防ぎ、最新の情報を常に共有できる体制作りが求められます。
◎訪問マッサージ事業者の業務効率化にはspotlog

spotlogは国内の訪問マッサージ事業者が監修したシステムで、レセコン、電子カルテ、スケジュール管理がスマホ1台で完結するというシンプルさが特徴です。spotlogの電子カルテ機能を使えば、患者の症状、施術記録、人体図、画像をクラウドで一元管理できます。ケアプラン第2表の短期目標と施術カルテの記録が常に同じデータベース上にあるため、転記ミスや情報の抜け漏れを防ぐことが可能です。
spotlogのレセコン機能なら、訪問マッサージなどによる訪問管理情報をもとに療養費支給申請書や往療内訳表をワンクリックで作成できます。繰り返し発生する同意書など書類の準備や情報の整理で、更新時期が近づくと、対象患者をリストアップして必要書類を自動生成できるため、更新を忘れて保険請求ができなくなったというリスクの回避が実現します。spotlogでは、電子カルテに入力した訪問マッサージなどの施術内容がレセコンの請求データと連動しているため、ケアマネから第2表の内容と実際の施術頻度が違うと指摘されるリスクも軽減されることが期待できます。カレンダー機能では、spotlogで複数の施術者の訪問マッサージなどの訪問スケジュールをリアルタイムで一画面に表示することが可能です。施術者の一人が急な体調不良で休みになった時も、画面上でドラッグしてドロップするだけで別の施術者に振替できます。ケアプランで設定された訪問マッサージなどのスケジュールとの整合性も、カレンダー上で確認できるため、訪問漏れやダブルブッキングも未然に防ぐことが可能です。
spotlogでは日々の電子カルテに入力した施術記録をもとに、報告書のひな形が自動生成されるため、会議前日にゼロから資料を作成する必要がなくなります。spotlogの電子カルテなら患者ごとの施術履歴を時系列で確認することが可能です。チェックイン時に患者の訪問マッサージなどの施術や見立てに関するアドバイスを自動生成してくれるため、経験の浅いスタッフでも質の高い経過報告ができます。訪問マッサージを行うことで、3ヶ月前と比べてどうなったかなどもグラフや数値で自動的に可視化されるため、ケアマネへの説明がスムーズです。spotlogは、スマートフォンやパソコンから利用できるクラウド型のため、訪問先での記録入力もその場で完結します。
◎まとめ
ケアマネが作成するケアプランに訪問マッサージを組み込めば、在宅で生活される要介護の方の痛みをやわらげ、日常の動きを保つサポートにつながります。同時に医療保険適用の手続き、主治医との連携、計画書への記載、ほかの職種との情報共有、継続的なモニタリングなど、事業者にかかる事務負担も決して軽くありません。spotlogを導入して記録や報告体制を効率化すれば、ケアマネとの連携がスムーズになり、利用者のQOL向上と地域包括ケアの質全体の底上げにつながります。業務効率化にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。