訪問鍼灸マッサージの開業手続き(更新:2026年7月)
※2026年7月加筆修正
もくじ
①はじめに
今回は、訪問鍼灸マッサージの治療院を開業する際、どのような手続きが必要かをまとめました。書類の提出先が複数あるため最初は混乱するかもしれませんが、本記事にて抜け漏れのない申請のお役に立てれば幸いです。
各種手続き及び申請関係は都道府県、市区町村により異なる場合もありますので、詳しくは申請先へ確認してください。
②保健所への開設届:2パターンあり注意
保健所に提出する必要があるのは、「施術所開設届」あるいは「出張施術業務開始届」のいずれかです。
施術所開設届は、テナントを借りるなど、店舗として運営する場合に必要です。来院患者のための相応の準備が求められます。
個人でも自宅を施術所として申請可能ですが、訪問以外で施術をしない場合は出張施術業務開始届の方が申請の手間が少なくなります。理由として、施術所開設届にはクリアしなければならない基準が複数あり、それらが満たさなければ受理がされないためです。
施術所開設の要件は以下のように定められていいます。
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第二十五条 法第九条の五第一項(法第十二条の二第二項において準用する場合を含む。)の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 六・六平方メートル以上の専用の施術室を有すること。
二 三・三平方メートル以上の待合室を有すること。
三 施術室は、室面積の七分の一以上に相当する部分を外気に開放し得ること。ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りでない。
四 施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること。
(平一二厚令七七・平一二厚令一二七・一部改正)
(衛生上必要な措置)
第二十六条 法第九条の五第二項(法第十二条の二第二項において準用する場合を含む。)の厚生労働省令で定める措置は、次のとおりとする。
一 常に清潔に保つこと。
二 採光、照明及び換気を充分にすること。
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出典:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則
出張施術業務届の場合は自宅(住民票記載の地)が拠点となります。施術所開設届と異なり開設の要件はありませんので、個人で出張のみを行う場合は初期の選択肢として有力です。
今後の事業運営の方針によって手続き等の手段が異なりますので、先を見据えて適切な方法をお選びください。
③受領委任関係:レセプト業務に必須
医療保険にて訪問施術を行いたい場合、受領委任制度の届け出をする必要があります。提出先はエリアを管轄する地方厚生局となり、必要な書類もホームページでダウンロード可能です。必要な書類を以下にまとめます。
※◎は提出必須、○は条件付きで必要
| 提出書類 | 備考 | |
| ◎ | 確約書(様式第1号) | 厚生局ホームページでダウンロード可 |
| ◎ | 療養費の受領委任の取扱いに係る申出(施術所の申出)(様式第2号) | 厚生局ホームページでダウンロード可 |
| 〇 | 施術管理者選任等証明(個人開設用) (様式第1号の2) | 厚生局ホームページでダウンロード可、個人開設で施術管理者と開設者が異なる場合 |
| 〇 | 施術管理者選任等証明(法人開設用) (様式第1号の3) | 厚生局ホームページでダウンロード可、法人開設の場合 |
| 〇 | 療養費の受領委任の取扱いに係る申出(同意書)(様式第2号の2) | 厚生局ホームページでダウンロード可、施術管理者以外の勤務する施術者がいる場合 |
| 〇 | 勤務形態確認票(様式第2号の2) | 厚生局ホームページでダウンロード可、複数管理、複数勤務の場合 |
| ◎ | あはき免許証の写し | |
| ◎ | 施術所開設届or出張業務開始届の写し | 保健所に提出した書類のコピー、出張業務開始届の場合は住民票も必要 |
| ◎ | 施術管理者研修修了書の写し | |
| ◎ | 実務経験期間証明書の写し |
ご覧いただければわかるように、勤務形態やそれぞれシチュエーションによって提出する書類が異なります。また、表の下2つは2021年から新設された内容で、より質の高い施術を提供できるようにすることを目的とされています。
地方厚生局に受領委任の届け出をすれば、申出をした日から制度の適用となり、あとは医師の同意書があれば保険施術が可能となります。ただし、地方厚生局から登記記号番号が送られてくるまではレセプトの提出はできませんので、ご注意ください。
また関連して、マイナ資格確認のための厚労省ポータルサイトの登録もゆくゆくは必要です。こちらに関しては、近日中に別項にて記事を書かせていただきたく存じます。
④機関コード:一部地域で必須
地方厚生局が発行する登記記号番号とは別に、レセプトや総括票に、それとは異なる「機関コード(地域で異なる呼称あり)」の記載を求められる地域があります。これは厚生労働省の通達とは別の、地域独自のルールとなります。
また、これらは開業時のみでなく、ルールが該当する県に初めて請求を行う際にも必須となります。
機関コードは各々の県に属する担当部署から送付されますので、事前に問い合わせが必要です。まずは、国保連に問い合わせてみるのが確実です。
コードが発行されるまで相応の時間を要しますので、早めの連絡が大切となります。
⑤生活保護対応
生活保護の方を保険適用にて施術を行う場合も、届け出が必要になります。必要書類は生活保護法における「指定申請書」及び「誓約書」、あはき免許証の原本です。
提出先は施術者の居住地管轄の生活福祉課(地域によって異なる呼称)となります。手続きが完了するまで相応の時間を要しますので、生活保護の方の施術を行う場合は、早めに届け出を行いましょう。
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