業務コラム
COLUMN

開業手続き

ノウハウ

①はじめに
②保健所関係
③受領委任関係
④機関コード
⑤生活保護対応
⑥最後に

 

①はじめに

今回は、訪問マッサージ、訪問鍼灸の治療院を開業する際、どのような手続きが必要かをまとめました。書類の提出先が複数あるため、最初は混乱するかもしれませんが、一つ一つ丁寧に行うことで抜け漏れのない申請をしていきましょう。また、各種手続き及び申請関係は全国都道府県、市区町村により異なる場合もありますので、詳しくは申請先へ確認してください。

 

②保健所関係

保健所に提出する必要があるのは、「施術所開設届」あるいは「出張施術業務開始届」のいずれかです。

施術所開設届は、テナントを借りるなど、自宅以外の場所で運営する場合に必要です。法人で開業する場合はこちらとなります。個人で自宅を施術所としても申請可能ですが、訪問以外で施術をしない場合は出張施術業務開始届の方が申請の手間が少なくなります。理由として、施術所開設届にはクリアしなければならない基準が複数あり、それらが満たさなければ受理がされないためです。具体的にはあはき法に記載がありますが、

 

6.6㎡以上の施術室

3.3㎡以上の待合室

・室面積1/7以上の窓、或いは換気装置

 

といったものです。保健所に問い合わせる際、開業手続きにおいてこれらが満たされているか確認されますので、準備が必要です。

 出張業務開始届は、1)住民票記載の地であること、2)個人運営であること、が条件です。それ以外に条件はありません。個人が条件となっていますので、いずれ治療院を拡大して人を雇うことになった場合は、施術所開設届を改めて提出する必要があります

 今後の事業運営の方針によって提出する書類が異なりますので、先を見据えて、適切な方法をお選びください。

 

③受領委任関係

医療保険にて訪問施術を行いたい場合、受領委任制度の届け出をする必要があります。提出先はエリアを管轄する地方厚生局となり、必要な書類もホームページでダウンロード可能です。必要な書類を以下にまとめます。

 

※◎は提出必須、○は条件付きで必要

 

提出書類

備考

確約書(様式第1号)

厚生局ホームページでダウンロード可

療養費の受領委任の取扱いに係る申出(施術所の申出)(様式第2号)

厚生局ホームページでダウンロード可

施術管理者選任等証明(個人開設用) (様式第1号の2

厚生局ホームページでダウンロード可、個人開設で施術管理者と開設者が異なる場合

施術管理者選任等証明(法人開設用) (様式第1号の3

厚生局ホームページでダウンロード可、法人開設の場合

療養費の受領委任の取扱いに係る申出(同意書)(様式第2号の2

厚生局ホームページでダウンロード可、施術管理者以外の勤務する施術者がいる場合

勤務形態確認票(様式第2号の2

厚生局ホームページでダウンロード可、複数管理、複数勤務の場合

あはき免許証の写し

 

施術所開設届or出張業務開始届の写し

保健所に提出した書類のコピー、出張業務開始届の場合は住民票も必要

施術管理者研修修了書の写し

 

実務経験期間証明書の写し

 

ご覧いただければわかるように、勤務形態、勤務する人数によって提出する書類が異なります。表の下2つは2021年から新設された内容で、より質の高い施術を提供できるようにすることを目的とされています。2021年中は確約書による猶予期間がありますが、猶予期間中に提出しないと、受領委任の資格を失ってしまいます。確約書ははり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件の特例について(令和2年3月4日保発0304第2号) [PDF:297KB] にフォーマットがあります

 地方厚生局に受領委任の届け出をすれば、申出をした日から制度の適用となります。ただし、地方厚生局から10桁の登記記号番号が送られてくるまではレセプトの提出はできませんので、ご注意ください。

 
④機関コード

10桁の登記記号番号とは別に、レセプトや総括表に機関コードの記載を求められる地域がありますこれは厚生労働省の通達とは別の、地域独自のルールとなります。また、これらは開業時のみでなく、該当する県に初めて請求を行う際にも必須となります

 機関コードは各々の県に属する担当部署から送付されますで、あらかじめ問い合わせが必要です。まずは、国保連に問い合わせてみるのが良いでしょう。コードが発行されるまで相応の時間を要しますので、早めの連絡が大切です

 

⑤生活保護対応

生活保護の方を保険適用にて施術を行う場合も、届け出が必要になります。必要書類は生活保護法における「指定申請書」及び「誓約書」、あはき免許証の原本です。提出先は施術者の居住地管轄の生活福祉課となります。手続きが完了するまで相応の時間を要しますので、予め準備しておいていただければと思います。

⑥最後に

開業の際は必要な手続きが多いのですが、これらが完了すれば治療院が本格的に開始されます。また、受領委任制度では、開業以外にもスタッフの雇用や退職、住所移転などでも手続きが必要となりますので、また別稿で紹介できればと思います。

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